Nobunari Oda
SP;ragtime music(Tom Dickson).
FS;The Sorcerer's Apprentice / Daphnis et Chloe (Lori Nichol).
EX;Frank Sinatra - New York, New York (Kenji Miyamoto)
5月17日。大阪府高槻市にある関大アイスアリーナで、織田信成は新しいエキシビションナンバーの振り付けのために宮本賢二氏とともにリンクに立つ。流れている曲は『ニューヨークニューヨーク』。「フランクシナトラの曲は200607シーズンの『フライミートゥーザムーン』で使ってからとても気に入っていたので、今回はこの曲を使用したいと賢二先生にお願いしました」。宮本氏と組むのも0708シーズンの『アラウンドザワールド』以来、5年ぶり。「今はまだ制作途中ですが、出来上がるのが楽しみ」と話す。
競技プログラム、新シーズンのショートプログラムはトムディクソン氏の振り付けによる。「ショートとフリーは違う先生にお願いしようと思って。前に一度、声を掛けていただいたので浜田先生を介して、今回は自分のほうから連絡しました」
OKの返事を受け、織田はアメリカコロラドスプリングスに飛んだ。「トム先生の指導はとても厳しかったが、そのかいあって良いプログラムができた」と言う。曲はラグタイムミュージック。ラグタイム(ragtime)とは、1900年代初め頃、アメリカを中心に世界的に流行した音楽ジャンルで、その音楽を使ったミュージカル「ラグタイム」も存在する。曲を選んだのはトム氏。かねてから織田に持っていたイメージを挙げながら「この曲をこういうふうに滑ってほしい」と細かい指導があったという。「衣装も先生のイメージがはっきりしていて。具体的に言うと20、30年代のファッションで、地味にはならないものを一緒に探したりした。デザインはほぼ固まっています」。
フリープログラムの振り付けは、ローリーニコル氏によるもの。「もう一度ローリーとやってみたいという気持ちが強くあって、パーケルコーチに伝えたら『それはグッドアイデアだ。ローリーもきっと喜んでくれる』と賛成してくれた」と相好を崩す。
ローリー氏が用意したのはポールデュカスの『魔法使いの弟子』という曲。ディズニー映画の『ファンタジア』にも使用されているものだ。「魔法使いというキャラクターを演じきってほしい」と言われて渡されたという。「曲がとても力強い感じ。間にもう一つ、『ダフニスとクロエ』という曲を挟んで構成されていて、よりドラマチックなものに仕上がっている」と自信をのぞかせる。
ローリー氏のプログラムはスケーター自身のナチュラルな動きをまず考えて、それを最大限に伸ばしつつ手を加えながら一緒に作りあげていくものだという。「自分でもテーマのあるもののほうが演じやすいので、すぐに気に入りました。一緒に作りこんでいく過程も楽しかった」と頬を緩ませた。 |